妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン/榊一郎
あらすじ
〈異界戦争〉。
およそ二百年前、剣と魔法の世界は、本来辿りつけないはずの異境と、
唐突に繋がった。
そして、恐ろしく『進んだ』異界の文明は、世界を『改革』し、動乱を呼び、
それは百年ほどで終結したのであった。
――〈異界戦争〉後の、平穏を取り戻し、しかし、混入した異界の影響を抱えている
世界。
そこでは、妖精族を専門に狙う殺し屋〈妖精刈り〉が、世間を震撼させていた。
「……汝、すでに人間にあらず、妖精にあらず、死を忘れたる汝、すでに鬼なり」
感想
榊一郎先生の新作感想殴り書き連投!!
先に感想殴り書きした『いつか仮面を脱ぐ為に』がラブコメなら、
こっちはハードボイルド系。
世界観はダークなところは共通していても、全く方向性の違う作品を書ける榊先生、
すごいです。
『いつか仮面を脱ぐ為に』のエルフが奴隷少女なら、『妖精狙撃』はタイトル通り、
エルフ×狙撃銃!!
表紙のイラストを見れば分かりますが、ヒロインのエルフ・アグネータの姿が、
なかなか斬新。
榊先生のヒロインの中でも、珍しいタイプです。
ちなみに、アグネータって、笑い方がにひひなんですよ、奥さん。
そして、生活能力皆無。
ある意味、エルフの姫様?
アグネータのサービスカットのイラストが、あんまりサービスっぽく見えないのは
すごいわ。
むしろ標的の方が、世に広くイメージされているだろうエルフっぽいという。
一方、アグネータの相棒兼世話係のユーゴは、普人で記憶喪失。
彼の過去の断片は、誰かと彼の名が刻まれた懐中時計と、なぜか修得していた
近接戦闘の技術だけである。
過去をなくしたユーゴと、暗殺以外の目的を持たないアグネータから感じた、空白。
産まれた種族も生きる時間も性格も異なる二人の、ほんの少し重なる部分に思われた。
あと、この剣と魔法+αな世界、魔法が万能な訳ではなく、あくまで物理法則に
即しているところがツボです。
アグネータは狙撃する前に、算盤の珠を弾いて計算しているのですが、
そこの場面、好きじゃ~。
何と言うか、世界観に厚みを感じさせてくれるのです。
そして、健気系サブヒロイン・ミリアムは、獣祖族でケモ耳要員!!
直接戦闘している訳ではありませんが、何だかんだで活躍していしたね。
そして、謎の依頼主やユーゴの過去等、まだ明かされていない伏線が。
そんな訳で、続き!!!
カモンッ!!!!!!