Babel Ⅰ 少女は言葉の旅に出る/古宮九時
あらすじ
女子大学生の
意味も分からず剣と魔法が常識の世界に放り出された彼女は、途方に暮れるも、風変わりな魔法士・エリクと偶然出会う。
魔法文字を研究するエリクは、雫が知る日本の文字に興味を持ち、その知識と引き換えに、彼女の手助けを提案する。
そして雫は、エリクの提案を受け入れ、日本に帰還する手掛かりを探すべく、彼と共に魔法大国ファルサスへ旅立つのであった。
その旅路にあるのは、不条理で不可思議な謎と、人と言葉の物語。
――少女と魔法士の旅立ちが、大陸の変革の始まりになることなど、彼らはまだ知らない。
感想
祝☆「Babel Ⅰ 少女は言葉の旅に出る」(以下Babel)&「Unnamed Memory Ⅴ」(以下UM)同時刊行!!
電撃文庫で出ていた好きなWeb小説が、電撃の新文芸でリブートしましたぜっ!!
Babel三巻あたりで、好きなキャラクターであるオルティア様のイラストが拝見できそうなので、今から楽しみにしておりました。
(キリッ)
そして、Babelと同じ世界観であるUMの最新刊も、同時刊行されているから超うれしいっ!!!
古宮先生、
(満面の笑顔)
さて、前述のとおり、Babelは、電撃の新文芸で先に刊行されているUMの姉妹作であり、UMの三百年後の世界が舞台となっている。
UMの三百年後も、剣と魔法の世界であるのは変わらず、しかし、異世界人である雫という異物が、世界の根底に沈んでいた謎を浮かび上がらせることとなる。
UMも大好きなので、まだ読んでいない人に猛プッシュしたいし、ブログでUMの感想も書いてますっ!
ちなみに、UMの王と魔女コンビは作中屈指の戦闘力がありましたので、武力で解決なある意味安定の安心感がありましたが、Babelの二人は研究者系で武力権力の安心がないせいか、とにかく危なっかしい印象を受けますね。
(半笑い)
まあ、UMは王道の安定感が良いですが、BabelはUMにはないハラハラドキドキが売りだと思いますっ!
そして、Babelの雫とエリクは、非力でありそれを自覚している
独りで何でもできる訳ではないから誰かの手を借りて、そこで出来た
(必死)
それから、現代日本人である雫を通し、異世界旅行を疑似体験できるのもBabelの魅力です。
雫は、普通の女子大生らしく、突然の異世界転移に混乱する描写もありますが、混乱のままに自分の
そんな雫は、異世界の景色に感動したり、異世界の道具に歓声を上げたりと、彼女なりに異世界道中を楽しみ、エリクに教わりながら異世界の常識を学んでいきます。
一方のエリクも、雫から言葉(日本語・英語・ドイツ語)を学んだり、雫の現代日本式ボケに突っ込んだりと、異世界文化交流的な場面を楽しむこともできるのです。
何も知らない雫と共に、彼女が迷い込んだ世界を少しずつ知っていく面白さが、Babelの良さだと思います。
――しかしながら、楽しいだけの異世界旅行ではないところが、Babelの物語に深みを付け加えている。
UMから三百年後でも、Babelの世界は、現代日本よりも
大陸から戦争の火は消えず、人の血肉を
平和な日本で生まれ育った雫も、異世界に
それでも彼女は、異世界の理論に安易に染まらずに、自分としてあり続けようと努力する。
まだBabelを知らない方にも、旅路での雫の成長を見守って欲しい。
――また、Babelは、言葉にまつわる物語。
少女と魔法士の旅の
続刊はよっ!!!!!
(ゴロゴロ地面を転がりながら)
追記2020/11/13
二巻発売中!!
12月には三巻発売です!!