詞乃端のオススメ本感想書き殴り+α

オススメ本の感想を書き殴りたい+宣伝したいの精神で作ってみたブログ。気が向けば他の事も書く予定。

数字で救う!弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。/長田信織

数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。 (電撃文庫)

あらすじ

諸事情によりフリーター生活を送っていた青年・ナオキは、ひょんなことから異世界へ迷い込む。

そんな彼が、幸運にも出会ったのは、弱小国ファベールの姫・ソアラ

 

好きだった数学を通じ、ナオキはソアラに力(腕力にあらず)を貸すことになる。

 

戦争目前、周辺国は敵だらけ、お姫様はふびんぼっちで詰み気味な状況を、数学と関数電卓でひっくり返すっ?!

 

感想

以前他の本の紹介で触れた作品。

 

魔法無し、異能無し、味方も無しっ?!

頼りになるのは、二人の頭脳と関数電卓な、異世界数学ファンタジー戦記!!

 

数学が重要な要素になっているだけに、冒頭からとあるものを描くための数式が出てきます。

数式単品だと、ぱっと見、難しそうに感じましたが、図入り解説にこれかいなと半笑い。

本物の方がいいの反応もそうですが、わざわざ数式作成してまで描いちゃうのは、ラノベですね……。

数学って何となく面倒くさくて、近寄りがたいイメージでしたが、こんなしょうもないことにも利用できるのだと、数学への見方も変わりました。

(苦笑)

 

『数字で救う!弱小国家』(以下すうすく)は、ナオキとソアラ、両方の視点から展開するお話ですが、どっちも好きになりました。

(真顔)

ナオキの飄々ひょうひょうとしたスタンスも良いですが、ソアラさんのふびんぼっち具合が可愛いです。

(爆)

ちなみに、すうすくの世界観は、剣と銃器で戦争する近世的な世界で、なおかつ周囲は脳筋ばっか。

理論的な思考のソアラさんの理解者が、数学オタクのナオキだけという、なかなかハードな状況です。

ソアラさんのエピソードが、いちいちふびん。

でも可愛い。

 

そして、『いつも綺麗な世界でなくとも、いつか見た美しさが忘れられない』という言葉が、印象的。

 

本作において、ナオキとソアラが、二人で同じ世界を一緒に見るためのツールが、数学なのである。

そして、数学と図入り解説を通じて、読者もまた、ナオキたちと同じ世界を見ることが出来ることも、すうすくの魅力だと思います。

昔学校で習っていた、算数や数学の知識がひょっこり顔を出し、実際に役にたっている光景を見ると、算数も数学も学んだ意味はあるのだなと感じました。

 

数字で戦う戦争に、俺TUEEEの爽快感そうかいかんはありませんが、とにかく戦争の過程が面白い。

主人公の思考が数学的に理解できるところや、生き残りのルールを、数学を使って探すところが、すうすく独特ですね。

ゲーム理論やら第二価格競争制やら、なんだか難しそうなことを分かり易く解説しているので、すうすくを読むと、なんとなく自分の頭が良くなった気分になれました!!

(気分だけ)

 

続刊も面白いので、また感想書きます!

 

 
追記2020/11/13
五巻まで発売中!!